洗ったばかりのTシャツを着て、電車で汗をかいた瞬間に、あのにおいが立ち上がってくる。乾いているときは何ともないのに、湿ると出てくる。この現象に心当たりがあるなら、体のにおい対策をいくら重ねても手応えが出ない理由が説明できます。においの出どころが、体ではなく服の側にある場合があるからです。この記事では、体のケアの話は扱いません。洗濯機の中で何が起きているか、干し方で何が変わるか、においが染みついた一着をどう扱うか。洗濯と衣類の側だけに絞って、順番に整理していきます。
まず、体のにおいか服のにおいかを切り分ける
対策の順番を間違えると、時間だけが過ぎます。最初にやるのは切り分けです。方法は単純で、家にあるもので試せます。
- 気になっている服を、乾いた状態で鼻に近づけて嗅ぐ。この時点で何か感じるなら、服の側にすでに残っています。
- その服の脇や襟を、少しだけ水で湿らせて30秒ほど置き、もう一度嗅ぐ。乾いているときは無臭でも、湿らせるとにおうことがあります。これが、いわゆる「着ると出てくる」状態です。
- 同じことを、着ていない新しいタオルで試す。タオルからもにおうなら、洗濯機そのものか、干し方の側に原因がある可能性が高くなります。
- 1枚だけ手洗いして、風通しの良い場所で早く乾かし、着てみる。これでにおわないなら、洗濯の工程を見直す価値があります。
この4つで、だいたいの当たりはつきます。3や4で結果が変わったなら、これから書く洗濯側の手順が効く場面です。逆に、洗い上がりの服が湿っても何も感じないのに、着て数時間で強くにおうなら、そちらは体の側の話です。
生乾きのにおいが出る条件は「濡れている時間」
生乾きのにおいは、天気の問題として語られがちですが、実際には繊維が濡れたままでいる時間の長さが大きく関わっていると説明されます。湿った状態が続くほど、においのもとになる菌が増えやすい環境になるためです。つまり、条件はこう整理できます。
- 洗い終わってから干すまでの放置時間が長い。脱水が終わった洗濯物を、洗濯機の中に数時間入れっぱなしにする。これがいちばん起きやすいパターンです。
- 脱いだ服を、濡れたまま洗濯かごに溜めている。汗を吸ったシャツを丸めて数日置く。洗う前の段階で、すでに条件が揃っています。
- 乾くまでに時間がかかっている。厚手のもの、部屋の風が動かない場所、洗濯物どうしが接している状態。
- 詰め込みすぎている。容量いっぱいに入れると、洗いも脱水も甘くなります。
ここから、今日からできる対処が3つ出てきます。脱水が終わったらすぐ出す。濡れた服はかごに丸めず、いったん広げておく。洗濯機は8割程度までにする。この3つは、道具も費用もかかりません。
洗濯槽そのものの手入れ
意外と抜けているのがここです。洗濯機の内側、特に見えていない外槽の裏側には、洗剤の残りや汚れが溜まっていくことがあります。そこがにおいのもとになっていれば、何を着ても、何回洗っても同じにおいが移ります。
手入れの手順は次のとおりです。
- 洗濯槽クリーナーの表示を読む。塩素系と酸素系で使い方が異なります。塩素系は他の洗剤や酸性のものと混ぜないでください。
- 洗濯物を入れずに槽洗浄コースで回す。コースがない機種は高水位で回してから止め、表示どおりの時間を置きます。
- 糸くずフィルターを外して洗う。ここは月に1〜2回。溜まったままだと、洗うたびに汚れが戻ります。
- 洗剤の投入口を外して洗う。固まった洗剤が残っていることがあります。ドラム式はゴムパッキンの内側も拭きます。
- 使い終わったらフタを開けておく。閉め切ると内部が湿ったままになります。
頻度の目安は、槽の洗浄が1〜2か月に1回、フィルターと投入口が月に1〜2回、フタを開けておくのは毎回です。
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においが取れないとき、洗剤を多めに入れたくなります。ここは逆方向に働くことがあります。溶け残った洗剤や、すすぎきれなかった分が繊維に残ると、それ自体が汚れとして蓄積していくためです。
見直すのは3点です。
- 水量に対する規定量を確認する。洗剤の裏面には、水量ごとの量が書かれています。目分量でキャップに注いでいる人は、一度だけ計ってみると、自分のズレが分かります。
- 柔軟剤を足しすぎない。柔軟剤は繊維をコーティングする性質があるため、量が多いと吸水性が落ち、乾きにくくなる場合があります。乾きにくいということは、濡れている時間が延びるということです。
- すすぎ回数を減らしていないか確認する。時短のためにすすぎを減らしている場合、洗剤が残りやすくなります。においが気になる時期だけ、1回増やしてみる手もあります。
干し方は「風の通り道」で決まる
乾くのは、熱ではなく空気が動くことによるところが大きいです。日当たりの良いベランダでも、風が通らなければ思ったより乾きません。部屋干しでも、風が通れば早く乾きます。
干すときの具体的な手順です。
- 干す前に一度強く振る。脱水後の服はシワとともに縮んでいます。振ることで繊維の間に空気が入り、乾きが早くなります。
- 間隔を、こぶし1つぶん以上あける。これがいちばん効きます。ぎっしり並べると、隣り合った面がいつまでも湿ったままになります。
- 厚手を外側、薄手を内側に。アーチ状の並べ方で、空気の通り道ができます。
- Tシャツは裏返して脇を開く。脇の縫い目は生地が重なり、最後まで乾きません。
- パーカーはフードを別のハンガーで立てる。背中に貼りついていると、そこだけ半日遅れます。
- 部屋干しは、洗濯物の下から風を当てる。扇風機やサーキュレーターを、真上ではなく斜め下から。空気が抜ける先(窓や換気扇)を1つ作っておきます。
時間の目安としては、5時間以内に乾かしきることをひとつの基準にしておくと分かりやすいです。夜に干して朝までかかっている場合は、風の当て方か、干す間隔のどちらかを変える余地があります。
においが残った一着の扱いと、出やすい場所
すでににおいが定着した服は、普通に洗っても戻りにくいことがあります。その場合は、洗う前にひと工程を足します。
- 洗濯表示を確認する。桶に数字が入ったマークは、洗える水の上限温度です。超えると縮みや色落ちにつながることがあります。ウールや装飾のあるものは避けてください。
- 表示の範囲内のお湯を用意する。上限が40℃の表示なら、それ以下で。温度が高いほど良いわけではありません。
- 酸素系の漂白剤を、表示の分量で溶かす。先に粉を溶かしてから服を入れます。
- 30分から1時間ほどつけ置く。一晩置く必要はありません。長く置くほど良いというものでもないです。
- そのまま洗濯機で通常どおり洗い、すぐ干す。ここで放置すると、元に戻ります。
これを2回試して変化がないなら、その一着は役目を終えたと考えるほうが合理的です。特に肌に近いインナーは、消耗品として区切りをつけるほうが早いです。
においが出やすい場所と素材は、だいたい決まっています。
| 場所 | 起きやすいこと | 洗うときの一手間 |
|---|---|---|
| 襟の内側 | 皮脂が溜まり、黄ばみとにおいの両方が出やすい | 洗う前に部分洗い用の洗剤をなじませ、数分置いてから洗濯機へ |
| 脇の縫い目 | 生地が重なり、汗が抜けにくく乾きにくい | 裏返して洗い、干すときも裏返して脇を開く |
| 帽子の内側のバンド | 洗う頻度が低く、汗が集中する | 洗濯表示を確認し、洗えないものは湿らせた布で拭いて陰干し |
| ポリエステル中心の服 | 皮脂が繊維に残りやすいと言われる | 詰め込まずに洗い、乾かす時間を短くする |
ここまでが、洗濯と衣類の側でできることです。服のにおいが落ち着いてもまだ気になるなら、そこからは体の側の話になります。順番としては、体臭の対処の順番のほうへ進んでください。
汗のにおいが気になる人へ|塗るタイプのデオドラントケアを見る※製品の一般的な情報です。効果には個人差があります/広告を含みますそして、においも髪も、共通しているのは自分では気づきにくいという点です。服のにおいは今日の洗濯から動かせますが、髪のように時間がかかる話は、気づいた時点で情報を集め始めるだけでも選択肢が変わってきます。
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