ドラッグストアの棚の前で、しばらく動けなくなることがあります。似たような容器が並んでいて、片方には「育毛」、もう片方には「発毛」と書いてある。値段も幅がある。店員さんに聞くほどでもない気がして、結局そのまま帰る。この記事は、どれが良いかを比べる記事ではありません。棚に並んでいるものと、医療機関で扱われるものが、制度のうえでどう分けられているのか。その区分(カテゴリ)の違いだけを整理します。成分の話も、優劣の話も出てきません。読み終わったときに、パッケージのどこを見れば区分が分かるようになっていれば十分です。
「育毛剤」「発毛剤」は区分の名前ではない
最初に、いちばん混乱しやすいところを片づけます。「育毛剤」「発毛剤」という言葉は、制度上の区分名ではありません。 売り場の棚割りや、商品の紹介文の中で使われている呼び方です。だから、同じ「育毛剤」という言葉が使われていても、制度上の区分は違っている場合があります。
呼び方どうしを比べても、制度のうえでは何も比べたことになりません。比べるなら、呼び方ではなく区分で見る。 ここが出発点です。
では区分とは何か。日本では、医薬品医療機器等法という法律で、こうした製品がいくつかのカテゴリに分けられています。カテゴリが違うと、表示できることの範囲と、取り扱いや購入の経路が変わります。逆に言えば、この2点を押さえておけば、棚の前での見え方がかなり整理されます。
制度上の区分は、大きく3つ
髪や頭皮に使うものとして店頭や医療機関で見かけるものは、おおむね次の3つのどれかに当たります。
化粧品
体を清潔にする、整える、といった目的のもので、作用が穏やかなものとして位置づけられているカテゴリです。シャンプーやトリートメント、頭皮用のローションなどがここに入ることがあります。
医薬部外品
化粧品と医薬品の中間に置かれているカテゴリです。定められた目的の範囲で、承認された成分が決められた条件で配合されているものが該当します。「薬用」と付いた表示を見かけることがありますが、これは医薬部外品として承認されているものに使われる言い方です。
医薬品
さらに分かれます。薬局・ドラッグストアなどで購入できる一般用医薬品と、医師の処方にもとづいて使われる医療用医薬品です。一般用医薬品の中にも、購入時の情報提供の求められ方によって区分が置かれています。
医薬品の中が分かれているので、経路で見ると4つに近い形になります。整理すると次の通りです。
| 区分 | 位置づけ | 主な入手経路 |
|---|---|---|
| 化粧品 | 清潔にする・整えることを目的とするカテゴリ | 店頭・通販など |
| 医薬部外品 | 定められた目的の範囲で承認されたカテゴリ | 店頭・通販など |
| 一般用医薬品 | 薬局等で購入できる医薬品 | 薬局・ドラッグストア等(区分に応じた情報提供あり) |
| 医療用医薬品 | 医師の処方にもとづいて使われる医薬品 | 医療機関の受診と処方 |
区分ごとに、表示できる範囲が違う
ここが、区分を知っておく実用的な理由です。パッケージや広告に書ける内容の範囲は、区分ごとに定められています。 書き手が自由に決めているわけではなく、区分に応じたルールがある、ということです。
この仕組みが分かると、読み方が変わります。箱の文言が控えめに見えても、それはその区分で表示できる範囲に沿って書かれているだけかもしれない。逆に、区分に見合わない言い方が並ぶ広告は慎重に見る、という判断もできます。
大事なのは、表示の範囲の違いは、区分のルールの違いであって、個々の製品の順位づけではないということです。この記事で「どれが上」という話をしないのは、そもそも区分はそういう並べ方をするためのものではないからです。
また、区分が同じでも中身や使い方は製品ごとに違います。区分はグループのルールを示すもので、個別の判断まではしてくれません。
髪のことが気になる人へ|まず"知るだけ"の無料カウンセリングをチェック※AGAの一般情報。相談だけ・無料の窓口を紹介/広告を含みます区分ごとに、買える場所が違う
もうひとつの違いが経路です。ここは体感しやすい部分だと思います。
- 化粧品・医薬部外品。 ドラッグストアや通販などで、自分で選んで買えます。購入時に専門家の関与が求められる仕組みは、通常は置かれていません。
- 一般用医薬品。 薬局・ドラッグストアなどで購入できますが、区分に応じて、薬剤師や登録販売者による情報提供や相談対応の仕組みが置かれています。売り場でカウンター越しになっていたり、購入時に確認事項があったりするのは、この違いによるものです。
- 医療用医薬品。 店頭で自分で選んで買うものではなく、医療機関を受診し、医師の判断と処方を経て使われるものです。オンラインでのやり取りが中心の場合でも、診察を受ける流れがあることは変わりません。
「医療機関は何が違うのか」という問いの答えは、この3番めに集約されます。医療機関はカテゴリではなく、経路です。 診察して状態を確認したうえで判断する場所である点が、棚から選ぶこととの違いになります。受診する場合の流れはAGAのオンライン診療とは?対面との違いと向いている人で扱っています。
パッケージのどこを見れば区分が分かるか
ここが、この記事でいちばん持ち帰ってほしい部分です。手に取った製品がどの区分なのかは、箱や容器の表示で確認できます。順番に見ていきます。
- 外箱の表面を、上から下まで一周見る。 商品名の近く、あるいは端のほうに、区分を示す表示が入っていることが多いです。
- 「医薬部外品」の文字を探す。 医薬部外品に該当するものには、その旨の表示が入ります。「指定医薬部外品」と書かれている場合もあります。
- 医薬品の区分表示を探す。 一般用医薬品には、区分を示す表示(第1類・第2類・第3類など)や、要指導医薬品である旨の表示が入ります。これらの文字があれば、医薬品のカテゴリです。
- 裏面や側面の表示欄を見る。 成分の表示欄、使用上の注意、製造販売元などがまとまっている面があります。区分に関する記載は、ここに入っていることもあります。
- どの表示も見当たらない場合。 医薬部外品や医薬品の表示がなければ、化粧品として扱われているものである可能性があります。断定はできないので、判断に迷うときは次のh2の聞き先へ進んでください。
- 通販で買う場合。 商品ページの「商品区分」「医薬品区分」といった欄に記載されていることが一般的です。記載が見当たらないときは、購入前に販売元へ問い合わせる方法があります。
この手順の良いところは、宣伝文句を読まなくても区分が分かることです。キャッチコピーは印象で受け取るしかありませんが、区分の表示は決まった場所に決まった書き方で入ります。棚の前で迷ったら、まずここを見る。
分からないときの聞き先
区分が分かっても、自分にとってどうかという問いは残ります。そこは、この記事では答えられません。個別の判断は、専門家に聞くのが早いです。 聞き先は、大きく2つあります。
- 薬局・ドラッグストアの薬剤師や登録販売者。 店頭にあるものについて、区分や使い方の注意、いま飲んでいるものとの兼ね合いなどを相談できます。カウンターで「これはどの区分ですか」と聞くだけでも構いません。
- 医療機関。 状態を診てもらったうえでの判断が必要な場合は、こちらになります。無料カウンセリングを設けている医療機関もあり、状態を見てもらって説明を聞くだけの使い方もできます。
聞くときの言い方は、難しく考えなくて大丈夫です。「これは医薬部外品ですか、医薬品ですか」「いま飲んでいるものがあるのですが、確認したいです」。この2つで、たいていの場面は進みます。
医療機関に行く場合は、その場で決めなくて構いません。説明を聞いて持ち帰る使い方ができます。当日の進め方はAGAの無料カウンセリングは、その日に契約しなくていい、医療機関そのものの比べ方はAGAクリニックの選び方|比較すべきは価格だけではないにまとめました。背景として何が語られているのかの一般的な整理は20代・30代で薄毛が気になる原因は?にあります。
この記事は区分の整理であって、選び方の答えではありません。自分で確認できるのは、どこで買えるもので、どの範囲の表示がされているかまで。その先は人に聞く。区分を知っておくと、その「聞く」がやりやすくなります。
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